夜間痛や激痛に悩む五十肩の専門治療

肩の画像
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五十肩による夜間の痛みやふとした時の激痛でお悩みの方に向けて、確実な改善方法をご紹介します。一般的に1〜2年で自然治癒するとされる五十肩ですが、中々、治らないケースも沢山あります。適切な治療とリハビリで症状の早期改善が可能です。当記事では、整形外科専門医の診断に基づく段階的な治療法と、自宅でできる効果的なリハビリ方法を解説。特に睡眠を妨げる夜間痛や、急な動作で襲われる激痛の緩和に焦点を当てています。また、五十肩専門外来での最新の治療法や、ロキソニンなどの消炎鎮痛剤の使用法、ストレッチから物理療法まで、痛みの程度や症状の進行度合いに応じた具体的な対処法を詳しく説明していきます。

五十肩の症状と特徴

夜間痛と急な激痛について

五十肩の最も特徴的な症状として、夜間に増強する痛みと、思わぬ動作で生じる急激な痛みがあります。夜間痛は就寝中に肩の痛みが強くなり、睡眠が妨げられる深刻な症状です。

痛みの種類特徴的な症状日常生活への影響
夜間痛就寝時に痛みが増強睡眠障害、疲労感の蓄積
急な激痛予期せぬ動作で突然の痛み日常動作の制限、精神的ストレス

予期せぬ動作での急な痛みは、洗濯物を干す、着替える、髪を洗うといった何気ない日常動作で突然発生することが特徴です。この痛みは瞬間的に強く、患者さまに大きな不安を与えます。

症状の進行と自然経過

五十肩の症状は通常、以下の3つの段階を経て進行します:

段階主な症状期間
疼痛期強い痛みが主症状2~3ヶ月
拘縮期痛みは軽減するが動きが制限される4~6ヶ月
回復期徐々に可動域が改善6ヶ月~1年

疼痛期では夜間痛や安静時痛が特に強く、患者さまの生活の質を著しく低下させます。この時期は痛みのために肩を動かすことを避けがちですが、それにより症状が長引く可能性があります

拘縮期に入ると、徐々に痛みは和らぎますが、代わりに肩の動きが制限されるようになります。特に外転(腕を横に上げる動作)や外旋(腕を外側に回す動作)が困難になり、後ろで手を組んだり、背中に手を回したりする動作が著しく制限されます

回復期では、適切な治療とリハビリテーションを継続することで、徐々に症状が改善していきます。ただし、放置すると症状の改善が遅れ、より長期の治療期間を要する可能性があります。

五十肩の専門的な診断方法

五十肩の正確な診断には、体系的なアプローチが必要です。当院では、患者さま一人ひとりの症状を詳しく把握し、最適な治療方針を立てるため、複数のステップで慎重に診断を進めています

問診での重要ポイント

症状の詳細な把握のため、以下の項目について丁寧に確認させていただきます

確認項目確認内容
発症時期と経過いつから症状が始まり、どのように変化してきたか
痛みの性質夜間痛の有無、動作時の痛み、安静時の痛みなど
日常生活への影響着替え、洗髪、家事などでの困難な動作
既往歴過去の肩の病気や怪我の有無

特に夜間痛については、睡眠の質に大きく影響する重要な症状のため、時間帯や痛みの程度を詳しくお聞きします

各種検査と画像診断

理学所見の確認

医師による以下の検査を実施します:

  • 肩関節の可動域測定
  • 筋力テスト
  • 圧痛点の確認
  • 関節の動きの質的評価

画像検査による精密診断

当院では最新の医療機器を用いて、より正確な診断を行っています

検査種類主な確認項目
レントゲン検査骨の形状、石灰沈着、関節の変形など
エコー検査腱板の状態、滑液包の炎症、軟部組織の状態

エコー検査では、肩関節を動かしながらリアルタイムで観察することで、より詳細な状態把握が可能です。これにより、五十肩の症状の原因となっている部位を特定し、効果的な治療計画を立てることができます。

段階別の治療アプローチ

初期治療のポイント

五十肩の初期段階では、炎症と痛みの軽減が最優先となります。この時期の適切な治療が、その後の回復に大きく影響します。

症状治療内容
急性期の痛み消炎鎮痛剤の内服、局所注射療法
夜間痛肩の固定、温熱療法
動作時痛生活動作の指導、アイシング

リハビリテーション

症状の進行度に応じた段階的なリハビリテーションが重要です。当院では以下のようなプログラムを実施しています。

痛みの強い時期のリハビリ

この時期は痛みを誘発しない範囲での治療を行います。主に以下の治療を実施します:

  • 痛みの少ない範囲での他動運動
  • 肩甲骨周囲のマッサージ
  • 日常生活での動作指導

回復期のリハビリ

痛みが和らいできた段階では、より積極的な運動療法を導入します:

  • 関節可動域訓練
  • 筋力強化エクササイズ
  • ストレッチング指導
  • 自主トレーニング指導

注射治療と外科的治療

保存的治療で改善が見られない場合には、以下の治療を検討します:

治療法適応期待される効果
局所注射療法強い炎症がある場合即効性のある痛み軽減
トリガーポイント注射特定の部位に痛みがある場合局所の痛み軽減
関節注入療法関節内の炎症が強い場合可動域の改善

上記の治療法を組み合わせることで、より効果的な症状改善が期待できます。患者さまの状態に応じて、最適な治療プランを提案させていただきます。

まとめ

五十肩による夜間痛や急な激痛は、適切な治療とリハビリテーションによって改善が期待できます。初期段階では消炎鎮痛剤の服用や湿布剤の使用、ストレッチなどが有効です。症状が進行している場合は、ヒアルロン酸注射やステロイド注射などの治療も検討されます。特に夜間痛に対してはロキソニンなどの鎮痛剤の使用と、アイシングによる痛みのコントロールが効果的です。

リハビリテーションでは、セラバンドを使用した段階的な可動域訓練や、肩甲骨周りのストレッチが重要です。症状の改善には通常3〜6ヶ月程度かかりますが、早期発見・早期治療により回復期間を短縮できる可能性があります。日常生活での無理な動作を避け、定期的なリハビリテーションを継続することで、多くの場合、元の生活に戻ることができます。痛みが取れない、違和感があるなどお困りごとがありましたら当院へご相談ください。