膝の痛みはどの科を受診すべき?整形外科?それとも…専門医が解説!

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「膝の痛みを感じた時、どの病院に行けばいいの?」と悩んでいませんか? このページでは、膝の痛みの原因別に適切な診療科をわかりやすく解説します。鋭い痛み、鈍い痛み、ズキズキする痛みなど、痛みの種類や、運動時、安静時、階段の上り下りといった発生するタイミング、さらに腫れや熱感などの症状を手がかりに、整形外科、スポーツクリニック、ペインクリニック、リウマチ科、神経内科など、最適な医療機関の選び方をお伝えします。それぞれの診療科のメリット・デメリットも比較できるので、自分に合った病院選びの参考になります。また、「こんな症状の時はすぐに病院へ!」という緊急性の高い症状についても詳しく説明しているので、安心して適切な対応ができます。この記事を読めば、膝の痛みへの不安を解消し、適切な医療機関でスムーズに治療を開始するための第一歩を踏み出せます。

1. 膝の痛みの原因を見極めることが重要

膝の痛みは、様々な原因で引き起こされます。痛みの種類、発生するタイミング、その他の症状などを把握することで、適切な医療機関の受診や治療に繋がります。ご自身の症状をよく観察し、医療機関を受診する際に医師に伝えるようにしましょう。

1.1 痛みの種類

痛みには様々な種類があり、原因特定の重要な手がかりとなります。

1.1.1 鋭い痛み

鋭い痛みは、例えば、膝の靭帯損傷や半月板損傷などの外傷が原因で起こることがあります。急な動作や強い衝撃を受けた際に発生しやすい痛みです。また、痛風発作なども鋭い痛みを引き起こします。

1.1.2 鈍い痛み

鈍い痛みは、変形性膝関節症などの慢性的な疾患でよく見られる症状です。徐々に進行する痛みで、長期間続くこともあります。加齢や肥満なども原因となることがあります。

1.1.3 ズキズキする痛み

ズキズキする痛みは、炎症が起きている可能性を示唆しています。滑液包炎や、感染症などが原因として考えられます。

1.2 痛みが発生するタイミング

痛みは、特定の動作や状況で発生することがあります。いつ痛みが出るかを把握することも重要です。

1.2.1 運動時

運動時に痛みが出る場合は、ランニングやジャンプなどの繰り返しの動作によるオーバーユース(使い過ぎ)や、スポーツ外傷などが考えられます。特に、特定の動作で痛みが増強する場合は、その動作に関連する組織の損傷が疑われます。

1.2.2 安静時

安静時にも痛みがある場合は、変形性膝関節症などの慢性的な疾患や、炎症が原因である可能性があります。夜間や朝方に痛みが強い場合は、リウマチなどの炎症性疾患も疑われます。

1.2.3 階段の上り下り

階段の上り下りで痛みが出る場合は、膝関節への負担が大きくなっていることが原因として考えられます。変形性膝関節症などで軟骨がすり減っている場合や、半月板損傷などで膝関節が不安定になっている場合に、階段の上り下りでの痛みを感じることがあります。

1.3 その他の症状

痛み以外の症状にも注意を払いましょう。これらの症状は、痛みの原因を特定する上で重要な手がかりとなります。

症状考えられる原因
腫れ関節内に水が溜まっている、炎症が起きている、靭帯や腱が損傷している可能性があります。
熱感炎症が起きている可能性があります。感染症なども疑われます。
関節の動きの制限変形性膝関節症や靭帯損傷、半月板損傷などが考えられます。
膝の違和感何かしらの異常が膝に発生している可能性があります。違和感を感じたら、医療機関への受診をおすすめします。
膝の引っかかり半月板損傷などの可能性があります。

上記以外にも、しびれ脱力感といった症状が現れる場合もあります。これらの症状が現れた場合は、神経の圧迫や損傷が疑われるため、注意が必要です。ご自身の症状を詳しく観察し、医療機関を受診する際には医師に伝えるようにしましょう。

2. 膝の痛みで受診できる医療機関

膝の痛みを感じた際に、どの医療機関を受診すれば良いのか迷う方も多いでしょう。痛みの原因や症状によって適切な医療機関は異なります。ご自身の状況に合わせて、最適な医療機関を選びましょう。

2.1 整形外科

整形外科は、 musculoskeletal system(筋骨格系)の疾患や外傷を専門的に扱う診療科です。膝の痛みは、骨、関節、靭帯、筋肉、腱などの問題が原因で起こることが多く、整形外科はそれらの診断と治療を行います。レントゲン検査やエコーでの精密検査を行い、痛みの原因を特定し、適切な治療方法を提案します。

2.2 クリニック

クリニックには様々な種類があり、それぞれ専門とする分野が異なります。膝の痛みに対応している主なクリニックは以下の通りです。

2.2.1 スポーツクリニック

スポーツクリニックは、スポーツによる怪我や障害の治療に特化したクリニックです。スポーツ中に発生した膝の痛みや、繰り返しの動作による overuse injuries(使い過ぎ症候群)などに対応しています。スポーツへの復帰を目標としたリハビリテーションにも力を入れている場合が多いです。医師の中には、日本体育協会公認スポーツドクターや日本整形外科学会スポーツ認定医などの資格を保有している医師もいます。

2.2.2 ペインクリニック

ペインクリニックは、痛みを専門的に治療するクリニックです。慢性的な膝の痛みやしびれなど、他の医療機関で原因が特定できなかった痛みにも対応しています。神経ブロック療法や薬物療法など、痛みの緩和に特化した治療を提供します。

2.3 その他

整形外科やクリニック以外にも、膝の痛みを診てもらえる医療機関があります。症状によっては、これらの科を受診することも検討しましょう。

診療科主な対象症状
リウマチ科関節リウマチなどの膠原病が疑われる場合の膝の痛みや腫れ
神経内科膝の痛みやしびれが、神経の障害によって引き起こされている可能性がある場合

鶴橋整形外科クリニックでは、専門医が膝の痛みについて丁寧に診察し、適切な治療を提供いたします。お気軽にご相談ください。

3. 整形外科を受診するメリット・デメリット

膝の痛みを抱えている時、まず思い浮かぶ医療機関は整形外科でしょう。整形外科は骨・関節・筋肉などの運動器系の疾患を専門的に扱うため、膝の痛みに関しても幅広い知識と経験を持つ医師が対応してくれます。しかし、他の医療機関と同様に、整形外科にもメリットとデメリットが存在します。自分に合った医療機関を選ぶために、それぞれのメリットとデメリットを理解しておきましょう。

3.1 メリット

整形外科を受診する主なメリットは以下の通りです。

メリット詳細
専門性の高さ整形外科医は、骨・関節・筋肉の専門家です。膝関節の構造や機能、発生しうる疾患について深い知識と豊富な経験を持っています。そのため、正確な診断と適切な治療を受けることができます。
幅広い治療オプション整形外科では、保存療法から手術まで、幅広い治療オプションを提供することができます。痛みや炎症を抑える薬物療法、関節の動きを改善するリハビリテーション、装具療法など、患者さんの状態に合わせた治療法を選択できます。また、高度な医療機器を用いた精密検査(レントゲン、エコーなど)も可能です。
リハビリテーション施設の併設多くの整形外科では、リハビリテーション施設を併設しています。専門の理学療法士によるリハビリテーションを受けることで、膝関節の機能回復を促進し、日常生活への復帰をスムーズに進めることができます。
急性の怪我への対応スポーツ中の怪我や転倒などによる急性の膝の痛みにも、迅速に対応できます。骨折や靭帯損傷などの重篤な怪我の場合でも、適切な処置と治療を受けることができます。

3.2 デメリット

整形外科を受診するデメリットも理解しておくことが大切です。

デメリット詳細
待ち時間が長い場合がある整形外科は人気の診療科であるため、待ち時間が長くなる場合があります。特に、大きな病院や有名な医師の診察を受ける場合は、予約をしていても待ち時間を覚悟する必要があるでしょう。
費用が高額になる場合がある精密検査やリハビリテーションなど、医療費が高額になる場合があります。健康保険が適用される場合でも、自己負担額が高くなる可能性があるため、事前に費用を確認しておくことが重要です。
精神的な痛みに対するケアが不十分な場合がある整形外科は身体的な痛みに対する治療を専門としており、精神的な痛みに対するケアが不十分な場合があります。慢性的な膝の痛みを抱えている患者さんの中には、痛みによる不安やストレスを抱えている方もいるため、精神的なケアも必要となる場合があります。

整形外科は膝の痛みに対する専門的な知識と技術を持つ医療機関ですが、メリットとデメリットの両方を理解した上で受診を検討することが重要です。他の医療機関と比較検討し、ご自身の状況に合った医療機関を選びましょう。

4. クリニックを受診するメリット・デメリット

膝の痛みを抱えている場合、大規模な病院である整形外科だけでなく、クリニックも選択肢の一つとなります。クリニックには様々な種類があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。ご自身の症状や状況に合った医療機関を選ぶことが重要です。

4.1 メリット

4.1.1 待ち時間が短い

一般的に、クリニックは整形外科と比較して待ち時間が短い傾向にあります。これは、クリニックが地域密着型の医療機関であることが多く、比較的少ない患者数を診ているためです。忙しい方や、長時間待つのが苦手な方にとって大きなメリットと言えるでしょう。

4.1.2 丁寧な説明

クリニックでは、医師が患者一人ひとりと向き合う時間を十分に確保できる場合が多いです。そのため、症状や治療方針について丁寧な説明を受けられる可能性が高くなります。疑問や不安を解消し、安心して治療を受けるために重要なポイントです。

4.1.3 アクセスが良い

クリニックは、駅に近いなど、生活圏内に位置していることが多いです。そのため、通院しやすいというメリットがあります。特に、定期的な通院が必要な場合、アクセスの良さは大きな利点となります。

4.1.4 専門性の高いクリニックの選択肢

クリニックの中には、特定の疾患や症状に特化した専門性の高いクリニックも存在します。例えば、スポーツによる怪我の治療を得意とするスポーツクリニックや、痛みの緩和に特化したペインクリニックなどがあります。ご自身の症状に合った専門クリニックを選択することで、より適切な治療を受けられる可能性が高まります。

クリニックの種類特徴メリット
スポーツクリニックスポーツ外傷・障害の治療に特化専門的な知識と技術に基づいた治療を受けられる
ペインクリニック痛みの治療に特化痛みの緩和に特化した様々な治療法を提供

4.2 デメリット

4.2.1 設備が限られている場合がある

クリニックは、整形外科と比較して設備が限られている場合があります。例えば、高度な画像検査(MRIやCTなど)が必要な場合、他の医療機関を紹介されることがあります。精密な検査が必要な場合は、事前にクリニックの設備を確認しておくことが重要です。ただし、レントゲン検査やエコー検査など多くの検査はクリニックでも可能です。

4.2.2 対応できる疾患が限られている場合がある

クリニックは、整形外科と比較して対応できる疾患が限られている場合があります。複雑な骨折や手術が必要な疾患などは、整形外科での治療が必要となるでしょう。重症の場合や、専門的な治療が必要な場合は、整形外科を受診する方が適切です。

デメリット対処法
高度な画像検査が必要な場合、他の医療機関を紹介される場合がある事前の問い合わせ、紹介状の用意
対応できない疾患の場合、他の医療機関を紹介される場合がある事前の問い合わせ、紹介状の用意

最終的には、ご自身の症状や希望に合わせて最適な医療機関を選ぶことが大切です。迷う場合は、まずは近くのクリニックに相談してみるのも良いでしょう。

5. こんな膝の痛みはすぐに受診!

膝の痛みは、日常生活に支障をきたすだけでなく、放置すると症状が悪化することもあります。自己判断で様子を見ずに、以下の症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診しましょう。

5.1 我慢できないほどの強い痛み

安静にしていても痛みが治まらない、日常生活に支障が出るほどの強い痛みがある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。痛みが強い場合は、炎症や骨折、靭帯損傷などの可能性が考えられます。レントゲン検査やエコーでの精密検査で原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。

5.2 膝の変形

膝の関節が腫れ上がっている明らかに変形していると感じる場合も、緊急性を要する可能性があります。自己判断せず、医療機関を受診し、医師の診察を受けましょう。変形が確認される場合は、骨折や脱臼などの可能性も考慮し、迅速な対応が必要です。

5.3 発熱を伴う

膝の痛みとともに発熱がある場合は、感染症の可能性も考えられます。特に、38度以上の高熱が出る場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。感染症が疑われる場合は、血液検査などを行い、適切な治療を受けることが重要です。放置すると、症状が悪化したり、他の部位に感染が広がる可能性があります。

5.4 歩行困難

膝の痛みで歩行が困難な場合、骨折や靭帯損傷、半月板損傷などの重篤な損傷の可能性があります。無理に歩くと症状が悪化することがありますので、安静にして医療機関を受診しましょう。痛みが強い場合は、松葉杖などを使用し、膝への負担を軽減することが大切です。

5.5 症状のまとめ

症状詳細受診の目安
我慢できないほどの強い痛み安静時でも痛む、日常生活に支障が出るほどの激痛すぐに受診
膝の変形腫れ、明らかな変形すぐに受診
発熱を伴う38度以上の高熱、微熱が続くすぐに受診
歩行困難痛みで歩けない、体重をかけられないすぐに受診

上記の症状以外にも、膝に違和感や不安がある場合は、我慢せずに医療機関を受診することをおすすめします。早期発見・早期治療が、健康な膝を維持するために重要です。鶴橋整形外科クリニックでは、専門医が丁寧な診察と適切な治療を提供いたします。お気軽にご相談ください。

6. よくある質問

膝の痛みでお悩みの方からよくいただくご質問をまとめました。どの科を受診すべきか、どんな症状ですぐに受診すべきかなど、不安を解消するお手伝いができれば幸いです。

6.1 Q. 膝の痛みは何科を受診すればいいですか?

まずは整形外科を受診することをおすすめします。整形外科は、骨、関節、筋肉、靭帯、腱などの運動器の疾患を専門的に扱う診療科です。膝の痛みの原因を特定し、適切な治療を提供してくれます。レントゲン検査やエコーでの精密検査などを通して、痛みの原因を詳しく調べることが可能です。

整形外科以外では、痛みの種類や症状によっては、リウマチ科ペインクリニック神経内科などが適切な場合もあります。

診療科主な対象疾患
整形外科変形性膝関節症、靭帯損傷、半月板損傷、骨折など
リウマチ科関節リウマチなど
ペインクリニック慢性的な痛み、神経痛など
神経内科坐骨神経痛、脊柱管狭窄症など

6.2 Q. 整形外科以外で膝の痛みを診てもらえる科はありますか?

はい、あります。膝の痛みの原因によっては、整形外科以外の科を受診した方が良い場合もあります。

診療科こんな症状のときに
リウマチ科関節の腫れや朝のこわばりがある、複数の関節が痛む
ペインクリニック慢性的な膝の痛みがあり、他の治療で効果がない
神経内科膝の痛みやしびれとともに、腰や足の痛みやしびれもある

ご自身の症状に合わせて適切な診療科を選択することが重要です。どの科を受診すべきか迷う場合は、まずはかかりつけ医に相談してみるのも良いでしょう。鶴橋整形外科クリニックでもご相談を受け付けております。

6.3 Q. すぐに受診が必要な膝の痛みは?

次のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

  • 我慢できないほどの強い痛み
  • 膝の変形
  • 発熱を伴う
  • 歩行困難
  • 安静にしていても痛みが続く
  • 膝に力が入らない
  • 急に膝が腫れた

これらの症状は、重篤な疾患が隠れている可能性があります。早期診断・早期治療が大切ですので、少しでも気になる症状があれば、すぐに鶴橋整形外科クリニックにご相談ください。

7. まとめ

膝の痛みを感じた際にどの医療機関を受診すべきかは、痛みの種類、発生するタイミング、その他の症状によって異なります。まずは自分の症状をよく観察し、適切な医療機関を選択することが重要です。鋭い痛みや運動時の痛みなど、比較的症状が軽い場合は、近くの整形外科やクリニックを受診するのが一般的です。これらの医療機関では、レントゲン検査やMRI検査などを行い、痛みの原因を特定します。整形外科は、骨や関節の疾患に特化しており、手術が必要な場合にも対応可能です。クリニックは、より身近な存在であり、待ち時間が短いなどのメリットがあります。スポーツクリニックは、スポーツによる怪我に特化しており、運動時の痛みに対して専門的な治療を提供します。ペインクリニックは、痛みに特化した治療を提供し、慢性的な痛みに対しても効果的な治療法を提供します。

一方、関節リウマチが疑われる場合や、神経系の病気が原因で膝の痛みが発生している可能性がある場合は、それぞれリウマチ科や神経内科を受診する必要があります。我慢できないほどの強い痛みや膝の変形、発熱、歩行困難などの症状がある場合は、緊急性を要するため、すぐに整形外科を受診しましょう。適切な医療機関で診察を受けることで、早期診断・早期治療につながり、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。