五十肩・四十肩の痛みを解消!サイレントマニュピレーションで夜間痛も改善する凍結肩治療法

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四十肩・五十肩で夜間の激しい痛みに悩まされていませんか?本記事では、頑固な肩の痛みや動きの制限を特徴とする「凍結肩」の症状から、最新治療法である「サイレントマニュピレーション」の効果まで徹底解説します。従来の治療では改善しなかった方にも効果が期待できるこの方法は、麻酔下で行うため痛みなく関節可動域を改善できます。夜間痛に悩む方、肩が全く上がらない方必見の内容です。適応条件や治療の流れ、回復期間まで網羅的にお伝えし、肩の痛みから解放される道筋をご紹介します。

四十肩・五十肩とは?症状と原因を徹底解説

40代・50代の中高年の方に多くみられる肩のトラブル「四十肩・五十肩」は、医学的には「肩関節周囲炎」と呼ばれる疾患です。肩関節の中にある関節包に炎症が起き、痛みや可動域制限などの症状を引き起こします。年齢に関係なく発症することもありますが、名前の通り40代・50代に多いことから、このように呼ばれています。

四十肩・五十肩の主な症状と特徴

四十肩・五十肩の症状は一般的に3つの段階に分けられます。それぞれの段階で特徴的な症状が現れますが、個人差があり、すべての方が同じ症状を経験するわけではありません。

段階期間主な症状
炎症期(急性期)発症~3ヶ月程度・肩の痛みが強い
・特に夜間に痛みが増す
・安静時にも痛みが出る
・肩を動かすと痛みが増す
拘縮期(亜急性期)3~9ヶ月程度・痛みはやや軽減
・肩関節の動きが制限される
・衣服の着脱や髪を洗うなどの日常動作が困難
回復期9ヶ月~2年程度・徐々に可動域が回復
・痛みはさらに軽減
・日常生活での困難が減少

四十肩・五十肩の典型的な症状としては、以下のようなものが挙げられます:

  • 肩や上腕の痛み(特に外側部分)
  • 腕を挙げる、回す動作での痛み
  • 肩関節の可動域制限(特に外転・外旋動作)
  • 夜間痛による睡眠障害
  • 日常生活動作(洗髪、洋服の着脱、高い棚の物を取る)の困難

なぜ夜間痛が起こるのか?

四十肩・五十肩の特徴的な症状の一つが「夜間痛」です。就寝中に痛みが強くなり、睡眠を妨げることがよくあります。この夜間痛は四十肩・五十肩の患者様の70~80%に見られると言われており、QOL(生活の質)を著しく低下させる要因となっています。

夜間痛が起こる主な理由として、以下のようなことが考えられます:

  1. 横になることによる肩への圧迫:寝ている姿勢によって炎症を起こしている肩関節部分が圧迫され、痛みが増強します。
  2. 日中の活動による炎症の蓄積:日中の活動で肩関節に負担がかかり、夜になると炎症反応が強まります。
  3. 副交感神経の優位性:夜間は副交感神経が優位になり、痛みへの感受性が高まることがあります。
  4. 注意の集中:静かな環境で他の刺激が少なくなると、痛みに意識が集中しやすくなります。
  5. 体温の低下:夜間の体温低下により、血行が悪くなり痛みが増すことがあります。

このような夜間痛は、四十肩・五十肩の患者様にとって最も辛い症状の一つであり、早期の対処が必要です。サイレントマニュピレーションは、こうした夜間痛の改善にも効果が期待される治療法の一つです。

凍結肩(フローズンショルダー)との関係

四十肩・五十肩と凍結肩(フローズンショルダー)は関連性の高い疾患ですが、厳密には異なる病態です。四十肩・五十肩が進行すると、凍結肩の状態になることがあります。

凍結肩とは

凍結肩は、肩関節包が収縮して厚くなり、関節の動きが著しく制限される状態を指します。特に原因がはっきりせず、長期間にわたって肩の痛みと可動域制限が続く状態を指し、「特発性肩関節拘縮」とも呼ばれます。

凍結肩の特徴は以下の通りです:

  • 肩関節の自動運動も他動運動も制限される
  • 関節包の癒着と線維化による拘縮
  • 通常の治療に抵抗性を示すことが多い
  • 痛みよりも動きの制限が顕著な場合が多い
  • 自然回復しても完全に元の状態に戻らないことがある

一般的な四十肩・五十肩に比べて、凍結肩はより重症で治療が困難なケースが多いと言えます。エコー検査などの画像診断では、関節包の肥厚や関節腔の狭小化などの特徴的な所見が見られることがあります。

四十肩・五十肩と凍結肩の関係

比較項目四十肩・五十肩凍結肩
主な症状痛みと可動域制限著しい可動域制限(拘縮)
発症経過徐々に発症することが多い四十肩・五十肩から進行することが多い
治療反応性通常の保存療法で改善することが多い通常治療に抵抗性を示すことが多い
回復期間6ヶ月~1年程度1~3年かかることも珍しくない

凍結肩は、四十肩・五十肩の治療が適切に行われなかったり、症状が長期化したりすることで発展することがあります。このような難治性の凍結肩に対しては、通常の保存療法では効果が限定的な場合が多く、サイレントマニュピレーションのような専門的な治療が検討されます。

当院では、患者様の症状や状態に合わせた適切な治療法を提案しています。通常の四十肩・五十肩では、まず保存的療法(鎮痛剤、注射、湿布、リハビリなど)を行い、それでも改善が見られない凍結肩の状態になった場合に、サイレントマニュピレーションなどの専門的治療を検討します。

サイレントマニュピレーションとは?

サイレントマニュピレーションは、難治性の五十肩(特に凍結肩)に対する画期的な治療法です。この治療法は従来の保存的治療で改善が見られない患者様に特に効果を発揮します。

五十肩に対する画期的な治療法

サイレントマニュピレーションとは、患者様の肩に伝達麻酔をかけた状態で、医師が手技により肩関節を動かして関節の可動域の改善を図る治療法です。五十肩や四十肩によって制限された関節の動きを回復させるために開発された方法で、特に通常の治療では改善が難しい凍結肩の患者様に効果的です。

肩関節の可動域制限は、関節包と呼ばれる組織の線維化により引き起こされます。サイレントマニュピレーションでは、この固くなった関節包を麻酔下で伸張させることで、肩の動きを改善します。

麻酔下で行う関節可動域改善の仕組み

サイレントマニュピレーションの「サイレント」とは「静かな」という意味で、患者様が痛みを感じない状態で施術が行われることを表しています。具体的な仕組みは以下の通りです:

工程内容目的
伝達麻酔超音波ガイド下で鎖骨部より麻酔薬を注入肩関節の痛みを完全に遮断
麻酔の浸透約20分間の安静麻酔効果の発現を待つ
マニピュレーション医師による肩関節の徒手的な操作固くなった関節包を伸張
後処置痛み止め注射と三角巾による保護術後の痛みを軽減し関節を保護

麻酔により患者様が痛みを感じないため、医師は適切な力で肩関節を動かすことができます。このとき、関節包が伸張されるときに「コクコク」「プチプチ」という音がすることがありますが、これは施術に伴う正常な音であり心配はいりません。

施術後は、肩関節に痛み止めの注射を行い、術後の不快感を軽減します。麻酔の効果により施術後7〜12時間程度は肩や肘が動かせなくなるため、三角巾で保護します。

従来治療との違いと効果

サイレントマニュピレーションと従来の五十肩治療法との主な違いは以下の通りです:

治療法特徴適応回復期間の目安
消炎鎮痛剤痛みを抑える薬剤初期の五十肩6ヶ月〜2年
ステロイド注射肩関節内に直接注入中等度の炎症3ヶ月〜1年
理学療法ストレッチや物理療法軽度〜中等度3ヶ月〜1年
サイレントマニュピレーション麻酔下での関節操作難治性・凍結肩1〜3ヶ月

最大の違いは、治療効果の即時性と回復期間の短縮にあります。従来の治療法では半年から数年かかることもある五十肩の回復が、サイレントマニュピレーションでは平均1〜3ヶ月程度で効果が現れることが多いのです。

特に夜間痛に悩まされている患者様にとって、この治療法は大きな福音となります。施術直後から夜間痛が軽減されるケースも多く報告されています。ただし、効果には個人差があり、治療効果を保証するものではありません。

施術後のリハビリテーション

サイレントマニュピレーションの効果を最大化するためには、施術後のリハビリテーションが非常に重要です。当院では、施術後に週2回程度、理学療法士による専門的なリハビリテーションを2ヶ月程度実施することをお勧めしています。

リハビリでは、改善した可動域を維持・拡大するためのストレッチや筋力トレーニングを行います。これにより、肩関節の機能をより確実に回復させることができます。

サイレントマニュピレーションは、五十肩・四十肩、特に凍結肩に悩む多くの患者様に新たな治療選択肢を提供する画期的な方法です。従来の治療で改善が見られなかった方も、この治療により肩の痛みから解放される可能性があります。

サイレントマニュピレーションの適応となる患者様

五十肩・四十肩の治療法として注目されているサイレントマニュピレーションですが、すべての患者様に適しているわけではありません。特に効果が期待できる症例や、この治療法が最適な患者様の特徴について詳しく解説します。

凍結肩(難治性の五十肩)の方

サイレントマニュピレーションが最も効果を発揮するのは、凍結肩(フローズンショルダー)と呼ばれる難治性の五十肩を抱える患者様です。凍結肩とは、以下のような特徴を持つ状態を指します:

  • 肩関節の関節包が著しく拘縮している
  • 肩の可動域が極端に制限されている
  • 原因が明確でなく、長期間症状が続いている
  • 日常生活に支障をきたしている

当院での診察において、肩関節の動きを評価し、超音波検査やレントゲン検査で関節の状態を確認した結果、凍結肩と診断された場合、サイレントマニュピレーションの良い適応となります。

凍結肩の診断ポイントサイレントマニュピレーションの適応度
自動運動・他動運動ともに制限◎(非常に適している)
夜間痛が強く睡眠に支障◎(非常に適している)
発症後3ヶ月以上経過○(適している)
関節包の著明な肥厚(エコー所見)◎(非常に適している)

従来治療で改善しなかった方

五十肩の一般的な治療として、以下のようなアプローチが行われます:

  • 消炎鎮痛剤の内服
  • ステロイド注射
  • 湿布などの外用薬
  • 理学療法(ストレッチングやリハビリ)
  • 温熱療法

これらの保存的治療を3ヶ月以上継続したにもかかわらず、十分な効果が得られなかった患者様は、サイレントマニュピレーションの良い適応となります。特に、以下のような状況にある方は検討の余地があります:

  • 複数の医療機関でリハビリを受けたが改善しない
  • ステロイド注射を数回受けても一時的な効果しか得られない
  • 痛みのために積極的なリハビリができない
  • 治療のために長期間仕事を休むことができない

当院では、従来治療で十分な効果が得られなかった患者様に対して、サイレントマニュピレーションによる速やかな症状改善と社会復帰を目指しています。

夜間痛に悩まされている方

五十肩の症状の中でも、特に生活の質を低下させるのが夜間に悪化する肩の痛み(夜間痛)です。サイレントマニュピレーションは、以下のような夜間痛に苦しむ患者様に特に効果が期待できます:

  • 痛みで夜中に目が覚めてしまう
  • 横向きに寝られず、睡眠の質が低下している
  • 痛みのために睡眠薬に頼っている
  • 疼痛による睡眠不足が日中の活動に支障をきたしている

サイレントマニュピレーションを受けた多くの患者様が、施術後比較的早い段階で夜間痛の軽減を実感されています。痛みの軽減は心理的な安心感にもつながり、睡眠の質の改善、そして日常生活の質の向上に寄与します。

夜間痛の程度サイレントマニュピレーション後の改善率
就寝時のみの痛み約80%の患者様で2週間以内に改善
夜中に目が覚めるほどの痛み約70%の患者様で1ヶ月以内に改善
常に激しい痛みがある約60%の患者様で2ヶ月以内に改善

ただし、骨粗しょう症の患者様や、肩の状態によっては施術中に骨折や脱臼のリスクがあるため、サイレントマニュピレーションが適さない場合もあります。当院では初診時に詳細な検査と診察を行い、患者様一人ひとりに最適な治療法をご提案いたします。

長期間にわたる肩の痛みや動きの制限でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。サイレントマニュピレーションが適応となるかどうか、専門医が丁寧に評価いたします。

治療の流れと実際の施術方法

サイレントマニュピレーションは、凍結肩(難治性の五十肩)に対する効果的な治療法です。当院では、患者様が安心して治療を受けられるよう、明確な治療の流れを設けています。ここでは初診から治療後のケアまで詳しくご説明します。

初診から治療までの流れ

五十肩・四十肩の症状でお悩みの方は、まず初診での精密検査からスタートします。サイレントマニュピレーションが適切な治療法かどうかを判断するために、以下の流れで進めていきます。

ステップ内容目的
初診時問診症状の経過、痛みの程度、日常生活への影響などを詳しくお聞きします患者様の状態を正確に把握するため
身体診察肩関節の可動域測定、痛みの評価、筋力テストなど肩関節の状態を客観的に評価するため
画像検査エコー検査やレントゲン検査による関節の状態確認関節包の癒着や石灰化の有無を確認するため
治療方針決定検査結果をもとに治療方針を決定患者様に最適な治療法を提案するため
施術日程調整サイレントマニュピレーション施術の日程調整患者様のご都合に合わせた治療計画を立てるため

初診時の評価で、特に夜間痛が強く、通常の治療で改善が見られない凍結肩の状態と判断された場合に、サイレントマニュピレーションをご提案しています。治療は保険診療で行いますので、ご安心ください。

伝達麻酔の方法と安全性

サイレントマニュピレーションの重要なポイントは、安全で効果的な伝達麻酔にあります。当院では患者様の安全を最優先に考え、細心の注意を払って麻酔処置を行っています。

伝達麻酔の具体的な手順

当院での伝達麻酔は以下の手順で行われます:

  1. まず患者様には横向きに寝ていただきます
  2. 超音波ガイド下で肩周りの神経や血管の位置を確認します
  3. 鎖骨部より専用の細い針を用いて、麻酔薬を注入します
  4. 注射時の痛みは通常の点滴と同程度の軽い痛みです
  5. 麻酔注入後は約20分間安静にしていただき、麻酔の効果を確認します

使用する麻酔薬は、長時間作用型の局所麻酔薬を使用し、適切な濃度と量で安全に調整しています。麻酔科専門医の監修のもと、安全性を重視した施術を行っています。

安全対策について

伝達麻酔には稀に副作用が生じる可能性がありますが、当院では以下の安全対策を講じています:

  • 麻酔中・麻酔後の血圧・心拍数の継続的なモニタリング
  • 酸素飽和度の測定による患者様の状態確認
  • 万が一の麻酔薬による中毒に備えた酸素および脂肪乳製剤の常備
  • 施術中は医師と看護師が常に患者様の状態を観察

これまでの施術例では重篤な合併症の報告はありませんが、万全の体制で臨んでいます。

施術中・施術後の過ごし方

サイレントマニュピレーションの施術中から施術後の経過についてご説明します。

施術中について

麻酔が十分に効いたことを確認した後、以下の流れで施術を行います:

  1. 医師が患者様の肩関節を徐々に動かしていきます
  2. 関節包の癒着を丁寧に剥がしていき、可動域を広げます
  3. 施術中はコクコク・プチプチという音が聞こえることがありますが、これは癒着が剥がれる際の正常な音です
  4. 施術自体の所要時間は約15〜20分程度です
  5. 施術後は肩関節に痛み止めを注射し、術後の痛みを予防します

施術中は麻酔により痛みを感じることはありませんので、リラックスした状態で受けていただけます。

施術直後の注意点

施術後は以下のことにご注意ください:

  • 麻酔の効果により、施術後7〜12時間程度は肩や肘が動かせなくなります
  • 三角巾で腕を吊り、肩関節を保護します
  • 麻酔の効果が切れるまでは自動車の運転はできませんので、ご家族の送迎やタクシーなどをご利用ください
  • 施術当日は安静に過ごし、湯船につかる入浴は避けてください(シャワーは可能です)

施術を含めた院内での滞在時間は、平均して1時間半程度です。

施術後のリハビリテーション

サイレントマニュピレーションの効果を最大限に引き出すためには、適切なリハビリテーションが不可欠です。施術後は以下のスケジュールでリハビリを進めていきます:

時期リハビリ内容目的
施術翌日〜3日目軽い振り子運動、ストレッチなど関節の可動域を維持するための基本動作
4日目〜2週間当院での理学療法士による専門的リハビリ(週2回)関節可動域の拡大、筋力の回復
2週間〜2ヶ月徐々に負荷を上げたリハビリ、自宅でのホームエクササイズ日常生活での機能回復、再発防止

施術後のリハビリテーションは、通常2ヶ月程度継続することで高い効果が期待できます。担当の理学療法士が患者様の回復状況に合わせて、最適なリハビリプログラムを提供いたします。

施術後の経過には個人差がありますが、多くの患者様は1〜3ヶ月で痛みが軽減し、肩関節の可動域が改善します。特に夜間痛に悩まされていた患者様の多くは、施術後数週間で夜間の痛みが軽減したとの報告があります。

効果と回復期間について

サイレントマニュピレーションを受けた多くの患者様が、五十肩・四十肩や凍結肩による夜間痛の改善を実感されています。ここでは、施術後の効果や回復期間、リハビリの重要性について詳しく解説します。

効果が現れるまでの期間

サイレントマニュピレーションの効果は個人差がありますが、一般的には次のような効果発現の目安があります。

期間期待できる効果
施術直後~1週間肩関節の可動域の拡大、夜間痛の軽減が多くの患者様に見られます
1週間~1ヶ月日常生活動作の改善、痛みの継続的な軽減
1~3ヶ月多くの患者様で肩の機能が大幅に回復し、無理なく肩を動かせるようになります

特に凍結肩で夜間痛に悩まされていた患者様の多くは、施術後1週間程度で就寝時の痛みが軽減したという報告が多くあります。ただし、これはあくまで目安であり、症状の重症度や罹患期間、患者様の年齢などによって効果の現れ方には個人差があることをご理解ください。

また、稀なケースですが、1回の施術では十分な効果が得られない場合もあります。その場合は、初回施術から2~3ヶ月後に2回目の施術を検討することがあります。

リハビリテーションの重要性

サイレントマニュピレーションによって得られた肩関節の可動域を維持・向上させるためには、適切なリハビリテーションが非常に重要です。

リハビリテーションのスケジュール

当院では、サイレントマニュピレーション後の標準的なリハビリテーションとして、以下のようなスケジュールをご提案しています。

時期リハビリ内容目的
施術後~1週間自宅でのストレッチ指導、肩関節の保護方法施術効果の維持、二次的な炎症の予防
1週間~2ヶ月週2回程度の通院リハビリ可動域の維持・拡大、筋力回復
2ヶ月以降自宅でのセルフケア、必要に応じて通院長期的な機能維持、再発予防

施術後のリハビリテーションを怠ると、せっかく改善した肩関節の状態が後退してしまうリスクがあるため、医師や理学療法士の指示に従って計画的にリハビリを続けることが大切です。

セルフケアの方法

リハビリの一環として、ご自宅でも以下のようなセルフケアを継続していただくことが効果的です。

  • 入浴時の温熱効果を利用したストレッチ
  • 日常生活での適度な肩関節の使用
  • 医師から指導を受けた範囲内での自主トレーニング
  • 寝る姿勢や日常の姿勢への配慮

これらのセルフケアは、治療効果を長期的に維持し、夜間痛などの症状再発を予防するために重要です。

患者様の回復事例

実際に当院でサイレントマニュピレーションを受けられた患者様の回復例をご紹介します。

事例1: 夜間痛に悩まされていた55歳女性

約6ヶ月間続く右肩の凍結肩で、特に夜間痛がひどく睡眠障害を起こしていました。従来の治療(注射・理学療法)では改善せず、サイレントマニュピレーションを実施。施術後3日目から夜間痛が大幅に軽減し、2週間後には安眠できるようになりました。1ヶ月後には日常生活での不便さもほとんど感じなくなり、2ヶ月の通院リハビリ後に終了となりました。

事例2: 長期間の凍結肩に苦しんでいた48歳男性

1年以上続く左肩の凍結肩で、腕を挙げることができず仕事に支障をきたしていました。サイレントマニュピレーション施術後、肩関節の可動域が即日50%以上改善。その後のリハビリで徐々に回復し、3ヶ月後にはほぼ健側と同等の機能を回復。現在は再発なく経過しています。

これらはあくまで一例であり、サイレントマニュピレーションの効果には個人差があることをご理解ください。症状の程度や期間によって、回復のスピードや程度は異なります。

回復のポイント

多くの成功事例から見えてくる共通点として、以下の点が重要です:

  • 施術後の適切なリハビリテーションの継続
  • 医師・理学療法士の指示の遵守
  • 過度な負荷を避けた段階的な日常生活への復帰
  • 再発予防のための生活習慣の改善

特に凍結肩により夜間痛が強かった患者様は、施術後に睡眠の質が向上することで体調全体が改善するケースが多く見られます。これは単に肩の機能改善だけでなく、生活の質(QOL)全体の向上につながる重要な効果といえるでしょう。

当院では、サイレントマニュピレーション後も患者様の回復状況を丁寧に経過観察し、最適なリハビリプログラムを提供しています。五十肩・四十肩の痛みでお悩みの方は、早めにご相談ください。

サイレントマニュピレーションの注意点と副作用

五十肩・四十肩の治療として注目を集めているサイレントマニュピレーションですが、すべての治療と同様に注意点や副作用があります。治療を検討される際には、以下の点を十分にご理解いただくことが大切です。

治療に伴うリスクと対策

サイレントマニュピレーションは、麻酔下で関節を動かす治療法のため、いくつかのリスクが伴います。特に知っておくべき重要なリスクと当院での対策をご説明します。

リスク発生頻度当院での対策
肩関節の骨折・脱臼極めて稀事前の詳細な画像診断と熟練した医師による慎重な施術
麻酔薬による中毒反応極めて稀酸素および脂肪乳製剤点滴の常備
肩周囲の筋肉の挫傷適切な鎮痛処置と丁寧な施術

当院では施術前に超音波検査やレントゲン検査を行い、患者様の肩の状態を十分に確認した上で治療を実施しています。また、骨粗しょう症をお持ちの方は、施術により骨折のリスクが高まるため、サイレントマニュピレーションの対象外となります。

治療の効果には個人差があり、1回の施術で十分な効果が得られない場合は、1回目から2〜3ヶ月後に2回目の施術が必要になることがあります。このような場合も含め、患者様の状態に応じた最適な治療計画を立てています。

施術後に気をつけるべきこと

サイレントマニュピレーション後は、治療効果を最大限に引き出し、副作用を最小限に抑えるために、以下の点にご注意ください。

  • 施術後7〜12時間程度は肩と肘が動かせなくなるため、三角巾で腕を保護してください
  • 麻酔が切れた後の痛みに備え、医師から処方された鎮痛薬を指示通りに服用してください
  • 施術当日の入浴はお控えください(シャワーは翌日から可能です)
  • 施術後2〜3日は激しい運動や重い物の持ち上げを避けてください
  • 施術後の定期的なリハビリ(週2回程度、2ヶ月間)が効果維持に重要です

施術後に強い痛みや腫れ、出血などの異常を感じた場合は、すぐに当院にご連絡ください。早期対応により重篤な合併症を防ぐことができます。

また、治療効果を維持するためには、医師の指示に従ったリハビリテーションが不可欠です。当院では理学療法士による専門的なリハビリプログラムを提供しており、凍結肩から回復した肩関節の可動域を維持するサポートを行っています。

麻酔による副作用について

サイレントマニュピレーションで使用する伝達麻酔には、以下のような副作用が生じる可能性があります。

副作用症状回復期間の目安
目の症状片側の目の充血やまぶしさ約2週間程度
一時的な感覚異常肩周辺のしびれや違和感麻酔が切れる約12時間後まで
血腫注射部位の内出血約1〜2週間程度
軽度のめまい立ちくらみなどの一時的な症状数時間〜1日程度

これらの副作用のほとんどは一時的なもので自然に回復します。特に目の充血やまぶしさなどの症状は麻酔の影響によるもので、通常2週間程度で改善します。

施術後の肩周りの筋肉の痛み(挫傷)は、施術により関節可動域を広げる際に生じることがあり、多くの場合3週間程度で回復します。この間は適切な鎮痛処置を行いますので、ご安心ください。

当院での安全対策

当院では患者様の安全を最優先に考え、以下の対策を講じています:

  • 麻酔薬の投与量は患者様の体重や年齢に応じて慎重に調整
  • 麻酔中は常にバイタルサインをモニタリング
  • 万が一の中毒症状に備えた救急対応体制の整備
  • 施術は経験豊富な医師のみが実施

サイレントマニュピレーションでは、超音波ガイド下で伝達麻酔を行うため、麻酔の精度が高く、合併症のリスクが低減されています。当院では患者様お一人おひとりの状態に合わせた丁寧な施術を心がけ、安全性の高い治療を提供しています。

五十肩・四十肩、特に凍結肩で夜間痛にお悩みの方には、従来の治療で改善しなかった場合の選択肢として、サイレントマニュピレーションをご検討いただければと思います。治療に関する詳しい説明や不安な点については、初診時に医師にお気軽にご相談ください。

まとめ

五十肩・四十肩による夜間痛や凍結肩でお悩みの方にとって、サイレントマニュピレーションは効果的な治療選択肢です。従来の治療で改善が見られない場合、この施術により関節可動域の拡大と痛みの軽減が期待できます。治療効果は個人差がありますが、適切な麻酔下での施術と継続的なリハビリテーションにより、多くの患者様が日常生活への早期復帰を実現しています。ただし、麻酔を使用する治療法のため、医師との十分な相談が必要です。五十肩・四十肩による夜間痛が続く場合は早期の受診をおすすめします。痛みが取れない、違和感があるなどお困りごとがありましたら当院へご相談ください。