いびき・睡眠時無呼吸症候群のCPAP治療費を解説!値段と効果に見合う治療法とは?

「いびきがうるさい」「日中眠くて集中できない」と感じていませんか?もしかしたら、それは睡眠時無呼吸症候群のサインかもしれません。睡眠時無呼吸症候群の代表的な治療法であるCPAP治療は、健康保険適用で費用を抑えられる場合があります。この記事では、CPAP治療の効果や費用内訳、保険適用について詳しく解説し、マウスピース治療や手術治療などの他の治療法との比較も行います。自分に合った治療法を見つけるための参考に、ぜひ最後までお読みください。

1. いびきと睡眠時無呼吸症候群の関係

「いびき」とは、睡眠中に空気の通り道である気道が狭くなることで、その部分で振動が起き、音が発生する現象です。誰にでも起こりうる生理現象ですが、大きないびきや、頻繁に起こるいびきは、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome: SAS)という病気のサインである可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まる、あるいは浅くなる病気です。 いびきはこの病気の代表的な症状の一つですが、いびきがある人全員が睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。

1.1 いびきの種類

いびきの種類は大きく分けて2つあります。

  • 単純性いびき:病気ではない一般的ないびき
  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSAS) によるいびき:病気によって引き起こされるいびき

単純性いびきは、飲酒、疲労、風邪などが原因で一時的に気道が狭くなることで発生します。一方、閉塞性睡眠時無呼吸症候群によるいびきは、肥満、扁桃腺肥大、アデノイド肥大、舌根沈下などが原因で気道が狭くなることで発生します。閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、放置すると高血圧、心臓病、脳卒中などの深刻な病気を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

1.2 睡眠時無呼吸症候群の症状

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まる、あるいは浅くなる病気です。主な症状は以下の通りです。

症状詳細
大きないびき断続的ないびき、息苦しそうな音
日中の眠気日中、耐え難い眠気に襲われる
起床時の頭痛朝起きた時に頭が痛い
集中力・記憶力の低下集中力が続かない、物忘れが多い
夜間頻尿夜中に何度もトイレに起きる

これらの症状に心当たりがある場合は、医療機関への受診が必要です。睡眠時無呼吸症候群は、適切な治療を行うことで症状を改善することができます。出典:睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断と治療のためのガイド

2. CPAP治療とは?その効果と仕組み

CPAP治療とは、Continuous Positive Airway Pressure(経鼻的持続陽圧呼吸療法)の略で、睡眠中に鼻マスクを装着し、空気を送り込み続けることで、気道を広げて気流を確保する治療法です。主に、睡眠時無呼吸症候群 (SAS) の治療に用いられます。SASは、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気で、放置すると、高血圧、心疾患、脳血管疾患などのリスクを高める可能性があります。

2.1 CPAP治療の効果

CPAP治療を行うことで、以下の様な効果が期待できます。

  • 睡眠中の無呼吸を改善する
  • いびきを軽減する
  • 日中の眠気や倦怠感を軽減する
  • 集中力や記憶力の向上
  • 高血圧、心疾患、脳血管疾患のリスクを低減する

CPAP治療は、SASの症状改善だけでなく、QOL(生活の質)の向上にも貢献します。日中の眠気や倦怠感が改善されることで、仕事や家事、趣味などに集中しやすくなる効果も期待できます。また、SASによって引き起こされる合併症のリスクを抑制することで、健康寿命の延伸にもつながります。

2.2 CPAP治療の仕組み

CPAP治療では、鼻マスクを装着し、CPAP装置から一定の圧力で空気を送り込みます。この空気圧によって、睡眠中に狭窄したり閉塞したりする気道を広げ、空気の通り道を確保します。これにより、無呼吸状態を解消し、正常な呼吸を維持することができます。CPAP治療の効果は、適切な圧力で空気を送り込むことによって得られます。そのため、医師の指示に従って、自分に合った圧力を設定することが重要です。また、定期的に医療機関を受診し、治療効果や機器の状態をチェックする必要があります。

CPAP治療の長所CPAP治療の短所
睡眠時無呼吸症候群の症状を効果的に改善 非侵襲的な治療法マスクの装着感に慣れるまで時間がかかる場合がある 機械の音が気になる場合がある 旅行などに持参する必要がある

出典:国立国際医療研究センター病院

3. 気になるCPAP治療費用の内訳

CPAP治療費用の内訳は、大きく分けて以下の3つに分類できます。

  1. 診察・検査費用
  2. CPAP機器の購入費用
  3. CPAP機器の維持費

これらの費用は、医療機関、使用するCPAP機器の種類、治療期間などによって大きく異なります。以下で詳しく解説していきます。

3.1 CPAP治療費用の内訳:診察・検査費用

CPAP治療を開始するにあたって、まずは自身の症状を正しく診断するために、医療機関での診察と検査が必要です。診察・検査費用は、医療機関や検査内容によって異なりますが、目安として5,000円~20,000円程度が一般的です。具体的な検査項目としては、以下のものがあります。

  • 問診:いびきや日中の眠気などの自覚症状、生活習慣、持病などについて医師に伝えましょう。
  • 身体診察:肥満度や鼻・喉の状態などを確認します。
  • 睡眠時無呼吸症候群の簡易検査(アプノモニター):自宅でセンサーを装着して睡眠中の呼吸状態を測定します。費用は医療機関によって異なりますが、5,000円~10,000円程度が一般的です。
  • 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査):医療機関に一泊して、脳波や呼吸状態、血液中の酸素飽和度などを詳しく測定します。睡眠時無呼吸症候群の確定診断には、このPSG検査が必須となります。費用は健康保険適用で20,000円~40,000円程度が一般的ですが、医療機関や検査内容によって異なります。

3.2 CPAP治療費用の内訳:CPAP機器の購入費用

CPAP治療には、専用の医療機器であるCPAP機器が必要です。CPAP機器は、空気圧によって気道を広げ、睡眠中の呼吸をサポートする医療機器です。CPAP機器の価格は、種類や機能によって異なりますが、一般的に50,000円~150,000円程度が相場です。
CPAP機器は、医療機関で購入する場合と、インターネット通販などで購入する場合があります。医療機関で購入する場合は、医師や医療従事者から機器の使用方法やメンテナンス方法などの説明を受けられます。インターネット通販などでは、医療機関で購入するよりも安価に購入できる場合がありますが、使用方法やメンテナンス方法などの説明を受けられない場合もあるため注意が必要です。

3.2.1 CPAP機器の種類と値段

CPAP機器には、大きく分けて2つのタイプがあります。それぞれの特徴と価格帯は以下の通りです。

タイプ特徴価格帯
固定圧力CPAP睡眠中一定の圧力で空気を送り込む、最も一般的なタイプ。価格が比較的安価であることがメリット。50,000円~100,000円程度
自動圧力CPAP(APAP)睡眠中の呼吸状態に合わせて、自動的に空気圧力を調整するタイプ。より快適な睡眠を得られることがメリット。80,000円~150,000円程度

その他、近年では、小型軽量化されたものや、加湿機能付きのものなど、様々な機能が搭載されたCPAP機器も販売されています。ご自身の症状やライフスタイルに合わせて、医師と相談しながら最適なCPAP機器を選びましょう。

3.3 CPAP治療費用の内訳:CPAP機器の維持費

CPAP治療を継続していくためには、CPAP機器の維持費も必要となります。維持費には、主に以下のものが含まれます。

  • 消耗品費:CPAP機器には、マスク、ヘッドギア、チューブなどの消耗品があり、定期的な交換が必要です。消耗品の交換頻度は、製品や使用状況によって異なりますが、目安として以下の通りです。
    • マスク:1~3ヶ月に1回
    • ヘッドギア:6ヶ月~1年に1回
    • チューブ:6ヶ月~1年に1回
    消耗品費は、使用する製品や購入先によって異なりますが、年間で10,000円~20,000円程度が目安となります。
  • 電気代:CPAP機器は、睡眠中に使用するため、電気代が発生します。電気代は、使用するCPAP機器の消費電力や電気料金プランによって異なりますが、1日8時間使用した場合、1ヶ月あたり500円~1,000円程度が目安となります。
  • 定期的なメンテナンス費用:CPAP機器は、清潔に保つことが重要です。定期的に、フィルターの清掃や交換、本体の清掃などを行いましょう。メンテナンス費用は、使用する製品や購入先によって異なりますが、年間で5,000円~10,000円程度が目安となります。

これらの維持費を考慮すると、CPAP治療を継続していくためには、年間で数万円程度の費用がかかると見込んでおく必要があります。しかし、CPAP治療によって睡眠時無呼吸症候群の症状が改善されれば、日中の眠気や集中力低下などが改善され、QOL(生活の質)の向上につながる可能性があります。CPAP治療費用の負担と治療効果を比較検討し、医師とよく相談することが大切です。

なお、CPAP治療にかかる費用の一部は、健康保険の適用を受けることができます。健康保険の適用を受けるためには、医療機関で所定の手続きが必要となります。詳しくは、かかりつけの医療機関にご相談ください。

参考資料:

4. CPAP治療費用の負担を軽減する方法

CPAP治療は、健康保険の適用や医療費控除を受けることで費用負担を軽減できます。以下で詳しく解説していきます。

4.1 健康保険の適用

CPAP治療は、健康保険が適用される治療法です。保険適用となるためには、医療機関で睡眠時無呼吸症候群と診断され、CPAP治療が必要と認められる必要があります。適用される保険の種類によって自己負担割合は異なりますが、一般的には医療費の1~3割負担となります。

例えば、医療費が10万円かかった場合、自己負担額は1~3万円となり、残りの7~9万円は保険で負担されます。高額療養費制度を利用すれば、自己負担額をさらに抑えることも可能です。

4.1.1 健康保険適用外のCPAP治療

ただし、一部のCPAP機器やオプションは保険適用外となる場合があります。例えば、以下のようなものがあります。

  • 特定のメーカーの高級機種
  • 加湿機能付きの機種
  • マスクの種類によっては追加費用が発生する場合があります

保険適用外のCPAP機器やオプションを利用する場合は、全額自己負担となります。事前に医療機関に確認しておきましょう。

4.2 医療費控除

CPAP治療にかかった費用は、医療費控除の対象となります。医療費控除とは、1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、その超えた分の金額を所得から控除できる制度です。医療費控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。

医療費控除の対象となるのは、以下の費用です。

  • CPAP機器の購入費用
  • CPAP機器のレンタル費用
  • マスクなどの消耗品費用
  • 診察・検査費用
  • 薬剤費用

医療費控除を受けることで、所得税・住民税が軽減されます。医療費控除の金額は、以下の式で計算されます。

医療費控除額 = (1年間の医療費 – 医療費控除の所得制限)× 所得税率

医療費控除の所得制限は、以下の通りです。

所得金額医療費控除の所得制限
200万円未満10万円
200万円以上所得金額の5%

例えば、年収500万円の人が、CPAP治療で1年間にかかった医療費が20万円だった場合、医療費控除額は以下のように計算されます。

(20万円 – 500万円 × 5%)× 所得税率(仮に10%とする)= 5,000円

この場合、医療費控除を受けることで、所得税・住民税が5,000円軽減されます。医療費控除について詳しくは、国税庁のウェブサイトをご確認ください。

4.3 その他の公的支援制度

自治体によっては、CPAP治療費の一部を助成する制度を設けている場合があります。お住まいの自治体のウェブサイトなどでご確認ください。

例えば、東京都では、都民税所得割額が一定額以下の世帯を対象に、CPAP治療費の一部を助成する制度があります。助成額は、CPAP機器の購入費用の2分の1(上限5万円)となっています。詳しくは、東京都福祉保健局のウェブサイトをご確認ください。

5. CPAP治療以外のいびき・睡眠時無呼吸症候群治療法と費用

CPAP治療以外にも、いびきや睡眠時無呼吸症候群の症状を改善する治療法はいくつかあります。ここでは、それぞれの治療法の特徴や費用、メリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。

5.1 マウスピース治療

マウスピース治療は、睡眠時に装着するマウスピースを用いて、下顎(したあご)を少し前に出すことで気道を広げ、いびきや無呼吸を改善する治療法です。比較的軽度のいびきや軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)に効果が期待できます。

5.1.1 マウスピース治療の費用

マウスピース治療の費用は、保険適用かどうか、マウスピースの種類、医療機関によって異なります。自由診療の場合、3万円から10万円程度が相場となります。保険適用となる場合、医療機関の窓口負担割合に応じて費用が変わります。

5.1.2 マウスピース治療のメリット・デメリット

マウスピース治療のメリットは、CPAP治療に比べて、装着が簡単で、持ち運びにも便利という点です。また、治療費も比較的安価です。一方、デメリットとしては、顎関節症などのリスクがあること、重度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)には効果が期待できないことなどが挙げられます。

5.2 手術治療

手術治療は、気道を狭くしている原因となっている部分を切除したり、矯正したりすることで、いびきや無呼吸を改善する治療法です。重度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)や、他の治療法で効果が得られなかった場合に検討されます。

5.2.1 手術治療の種類

手術治療には、大きく分けて以下の3つの種類があります。

  • 鼻の外科手術:鼻中隔彎曲症や鼻茸など、鼻の構造的な問題を改善する手術です。
  • 口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP):口蓋垂や軟口蓋の一部を切除し、気道を広げる手術です。
  • 顎顔面外科手術:下顎や舌骨を前に出すことで気道を広げる手術です。

5.2.2 手術治療の費用

手術治療の費用は、手術の種類や医療機関によって大きく異なります。保険適用される場合、自己負担額は3割負担で数万円から数十万円程度が一般的ですが、高額療養費制度を利用できる場合があります。ただし、入院費や差額ベッド代などが別途かかる場合があるので注意が必要です。

5.2.3 手術治療のメリット・デメリット

手術治療のメリットは、原因となっている部分を根本的に治療できる可能性がある点です。成功すれば、いびきや無呼吸が劇的に改善されることもあります。一方、デメリットとしては、手術に伴うリスクや合併症の可能性があること、治療費が高額になる場合があることなどが挙げられます。

5.3 生活習慣の改善

いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、肥満や飲酒、喫煙などの生活習慣が影響している場合があります。そのため、生活習慣を改善することで、症状を軽減できる可能性があります。生活習慣の改善は、他の治療法と並行して行うことが推奨されます。

5.3.1 生活習慣改善の具体的な方法

  • 減量:肥満は気道を狭くする原因となります。適正体重を目指しましょう。参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康」
  • 禁煙:喫煙は気道の炎症を引き起こし、いびきや無呼吸を悪化させる可能性があります。参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「タバコと健康」
  • 飲酒制限:アルコールは筋肉を弛緩させるため、気道が狭くなりやすくなります。就寝前の飲酒は避けましょう。
  • 睡眠時の体位:仰向けで寝るよりも、横向きで寝る方が気道が狭くなりにくく、いびきや無呼吸の予防に効果的です。
  • 規則正しい生活:睡眠不足や不規則な生活は、自律神経のバランスを崩し、いびきや無呼吸を悪化させる可能性があります。十分な睡眠時間を確保し、規則正しい生活を心がけましょう。

5.3.2 生活習慣改善のメリット・デメリット

生活習慣改善のメリットは、治療費がかからないこと、副作用がないこと、健康全般に良い影響があることなどが挙げられます。一方、デメリットとしては、すぐに効果が出るとは限らないこと、継続的な努力が必要なことなどが挙げられます。

6. CPAP治療のメリット・デメリット

CPAP治療は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSA) の治療における第一選択となることが多いですが、他の治療法と同様にメリットとデメリットが存在します。CPAP治療を検討する際には、メリットとデメリットを理解した上で、自身にとって最適な治療法かどうかを判断することが重要です。

6.1 CPAP治療のメリット

CPAP治療の主なメリットは以下の通りです。

  • 高い治療効果:CPAP治療は、OSAの症状を効果的に改善することができる治療法として知られています。CPAPを装着することで、睡眠中の気道を広げ、呼吸を安定させることができます。これにより、いびきや無呼吸が減少し、日中の眠気や集中力の低下などの症状が改善されます。
  • 非侵襲的な治療法:CPAP治療は、手術を必要としない非侵襲的な治療法です。毎晩就寝時に鼻にマスクを装着するだけで治療が可能です。
  • 副作用が少ない:CPAP治療は、薬物療法と比較して、副作用が少ない治療法です。ただし、装着初期には、鼻の乾燥や閉塞感、皮膚の炎症などの軽度の副作用が現れることがあります。
  • OSAの合併症リスクを低減:OSAを放置すると、高血圧、心疾患、脳血管疾患、糖尿病などの合併症リスクが高まります。CPAP治療によってOSAの症状を改善することで、これらの合併症リスクを低減することができます。

6.2 CPAP治療のデメリット

CPAP治療の主なデメリットは以下の通りです。

  • 装着感:CPAP治療のデメリットとして最も多く挙げられるのが、装着時の不快感です。鼻にマスクを装着するため、最初は圧迫感や息苦しさを感じる場合があります。また、マスクのサイズや種類が合わない場合は、顔への圧迫や空気漏れなどが生じ、快適に睡眠できないことがあります。自分に合ったマスクを見つけることが重要です。
  • 治療の継続:CPAP治療は、OSAの症状を改善するために、毎晩、長期間にわたって継続する必要があります。治療を継続するためには、CPAP機器のメンテナンスや定期的な通院が必要となります。また、旅行や出張の際にもCPAP機器を持参する必要があります。
  • 費用:CPAP治療には、CPAP機器の購入費用やメンテナンス費用、定期的な通院費用など、ある程度の費用がかかります。健康保険が適用されますが、自己負担額も発生するため、経済的な負担となる場合があります。
  • パートナーへの影響:CPAP機器から発生する音が、一緒に寝るパートナーの睡眠を妨げてしまうことがあります。静音性の高いCPAP機器を選ぶ、寝室を別にするなどの対策が必要となる場合があります。

CPAP治療は、OSAの症状を効果的に改善できる治療法ですが、上記のようなデメリットも存在します。CPAP治療を検討する際には、医師と十分に相談し、メリットとデメリットを理解した上で、自身にとって最適な治療法かどうかを判断することが重要です。

7. 自分に合った治療法を見つけるために

いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療法は、CPAP療法以外にも様々なものがあります。それぞれにメリット・デメリット、費用、そして治療効果も異なるため、自分に最適な治療法を選択することが重要です。最適な治療法は、症状の重さや生活習慣、体質、そして治療に対する希望によって異なってきます。

治療法を検討する際には、以下の要素を考慮しましょう。

7.1 症状の重さ

軽い症状の場合、生活習慣の改善やマウスピース治療で改善が見込めることもあります。しかし、重度の睡眠時無呼吸症候群の場合、CPAP療法や手術治療が必要となる可能性が高くなります。 睡眠時無呼吸症候群の重症度分類では、無呼吸低呼吸指数(AHI)を用いて軽症、中等症、重症に分類されます。検査結果を踏まえて、医師と治療方針を相談しましょう。

7.2 治療費用

治療法によって費用は大きく異なります。健康保険の適用範囲や自己負担額も考慮する必要があります。費用の面が心配な方は、医師に相談し、保険適用となる治療法や、治療費の補助制度について確認しましょう。

7.3 治療期間

治療期間も治療法によって異なります。生活習慣の改善は、効果が出るまでに時間がかかる場合があり、CPAP療法は、症状が改善した後も継続して使用する必要があります。治療期間も考慮し、無理なく続けられる治療法を選びましょう。

7.4 生活スタイル

治療法の中には、生活スタイルに影響を与えるものもあります。例えば、CPAP療法は、毎晩機器を装着する必要があるため、旅行や出張の際には注意が必要です。自分のライフスタイルに合った治療法を選択することが大切です。

7.5 治療のメリット・デメリット

それぞれの治療法には、メリットだけでなくデメリットも存在します。例えば、CPAP療法は効果が高い一方で、装着時の違和感や、マスクの圧迫感を感じる人もいます。治療を受ける前に、メリット・デメリットをよく理解しておくことが重要です。

7.6 医師との相談

自分に最適な治療法を見つけるためには、睡眠専門医の診察を受け、現状の症状や生活習慣、希望などを詳しく伝えることが重要です。医師は、検査結果や患者の状況を総合的に判断し、最適な治療法を提案してくれます。自己判断で治療法を決めずに、必ず医師に相談しましょう。

7.7 セカンドオピニオン

治療法に迷う場合は、セカンドオピニオンを受けることも有効です。他の医療機関の医師の意見を聞くことで、より多角的な視点から治療法を検討することができます。セカンドオピニオンを受ける際は、検査結果や治療経過などをまとめた資料を持参するとスムーズです。

自分に最適な治療法を見つけるためには、医師とよく相談し、様々な情報を収集することが重要です。

8. まとめ

いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療法には、CPAP治療をはじめ、マウスピース治療、手術治療、生活習慣の改善など様々なものがあります。それぞれの治療法には費用、効果、患者さんへの負担などに違いがあり、自分に最適な治療法は人それぞれです。 CPAP治療は、効果が高く、健康保険の適用で費用負担を軽減できる可能性がある一方、機器の装着感やメンテナンスの手間などのデメリットも考えられます。 まずは医師に相談し、検査結果に基づいて、それぞれの治療法のメリット・デメリットを理解した上で、自分に最適な治療法を選択することが大切です。