【医師監修】リウマチの血液検査費用・結果の見方・診断基準を解説

「リウマチかも?」と感じたら、まずは血液検査で確かめることが大切です。でも、リウマチの血液検査って、どんなことをするのか、費用はどれくらいかかるのか、結果はどう見ればいいのか、気になることがたくさんありますよね。この記事では、リウマチの専門医監修のもと、リウマチの血液検査の種類や費用、結果の見方から、診断基準まで、分かりやすく解説していきます。検査を受けるか迷っている方も、すでに検査を受けた結果が気になる方も、この記事を読めば、リウマチの血液検査について、深く理解することができます。

1. リウマチとは?

リウマチ(関節リウマチ)は、免疫の異常によって自分の体の関節を攻撃してしまうことで、関節に炎症が起こり、痛みや腫れ、こわばりなどの症状が現れる病気です。進行すると関節が変形し、日常生活に支障をきたすこともあります。

1.1 リウマチの原因

リウマチの明確な原因は、まだ解明されていません。しかし、遺伝的要因環境要因が複雑に関係していると考えられています。

  • 遺伝的要因:リウマチを発症しやすい遺伝的な体質があると考えられています。家族にリウマチの方がいる場合は、発症リスクが高まる可能性があります。
  • 環境要因:喫煙、細菌やウイルスの感染、ストレスなどが、リウマチの発症に関与している可能性が指摘されています。

1.2 リウマチの症状

リウマチの症状は、初期には、朝の手のこわばりや関節の痛みなど、比較的軽い場合が多いです。しかし、進行すると、関節の腫れや変形、運動制限などが現れ、日常生活に支障をきたすようになります。

主な症状は以下の通りです。

  • 朝のこわばり:朝起きた時、手足などの関節がこわばって動かしにくい。時間とともに軽快していくことが多い。
  • 関節の痛み:手首、指の関節、膝などの関節に痛みが出る。動かすと痛みが強くなることが多い。
  • 関節の腫れ:炎症によって関節が腫れる。熱を持つこともある。
  • 関節の変形:関節が破壊され、変形していく。指が曲がってしまったり、O脚やX脚に変形したりすることがある。
  • 全身症状:発熱、倦怠感、食欲不振、体重減少などの症状が現れることもある。

1.3 リウマチの罹患しやすい年代

リウマチは、30歳代~50歳代に発症することが多い病気です。しかし、10歳未満の子どもや、高齢になってから発症することもあります。また、女性は男性に比べて約3~4倍発症しやすい傾向があります。

1.4 リウマチの治療

リウマチの治療は、病気の進行を抑え、関節の破壊を防ぐことを目的として行われます。早期に診断し、適切な治療を開始することが重要です。

主な治療法は以下の通りです。

  • 薬物療法:炎症を抑え、免疫の異常を抑える薬を使います。
    • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):痛みや炎症を抑える薬です。
    • ステロイド薬:強力な抗炎症作用を持つ薬です。炎症を抑え、症状を速やかに改善する効果があります。
    • 疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs):免疫の異常を抑え、関節の破壊を抑制する薬です。
    • 生物学的製剤:炎症を引き起こす物質を標的にして、その働きを抑える薬です。
  • リハビリテーション:関節の機能を維持・改善するためのリハビリテーションを行います。運動療法、温熱療法、装具療法などがあります。
  • 手術療法:関節の破壊が進行し、日常生活に支障が出ている場合には、人工関節置換術などの手術を行うことがあります。

1.5 リウマチの予防

リウマチの明確な予防法は確立していませんが、以下のようなことに気を付けることで、発症リスクを下げられる可能性があります。

  • 禁煙:喫煙はリウマチの発症リスクを高めることが知られています。
  • バランスの取れた食事:野菜や果物を中心としたバランスの取れた食事を心がけましょう。
  • 適度な運動:適度な運動は、免疫力を高め、健康維持に役立ちます。
  • 十分な睡眠:睡眠不足は、免疫力を低下させる可能性があります。十分な睡眠を心がけましょう。
  • ストレスをためない:ストレスは、免疫力を低下させる可能性があります。ストレスをため込まないようにしましょう。
  • 定期的な健康診断:早期発見・早期治療のためにも、定期的な健康診断を受けましょう。

2. リウマチの診断に使われる血液検査項目

リウマチの診断には、さまざまな検査が行われますが、中でも血液検査は非常に重要です。血液検査では、炎症の程度や免疫の状態などを調べ、リウマチの可能性や活動性を評価します。ここでは、リウマチの診断に使われる主な血液検査項目について詳しく解説します。

2.1 RF(リウマトイド因子)

RF(リウマトイド因子)は、関節リウマチの患者さんの約70~80%で陽性となる自己抗体です。ただし、RFが陽性でも必ずしも関節リウマチと診断されるわけではありません。高齢者や他の自己免疫疾患、慢性感染症などでも陽性になることがあります。逆に、関節リウマチでもRFが陰性の場合があります。

RFは、関節リウマチの診断や活動性の指標の一つとして用いられますが、それだけで診断を確定することはできません。他の検査結果や症状などを総合的に判断する必要があります。

2.1.1 RFの検査方法と結果の見方

RFの検査は、血液を採取して行います。検査結果は、通常「IU/mL」という単位で表されます。基準値は施設によって異なりますが、一般的には20 IU/mL以下であれば陰性と判断されます。

RF値判定
20 IU/mL以下陰性
20 IU/mL以上陽性

RF値が高いほど、関節リウマチの活動性が高い、あるいは関節破壊が進行している可能性があります。ただし、RF値と症状の重さには必ずしも相関関係はありません。

2.2 CCP抗体

CCP抗体(抗環状シトルリン化ペプチド抗体)は、関節リウマチの患者さんの約60~80%で陽性となる自己抗体です。RFよりも関節リウマチに特異性が高く、早期の関節リウマチでも陽性になることが多いため、早期診断に役立ちます。また、CCP抗体が陽性の場合は、関節破壊が進行しやすい傾向があると言われています。

2.2.1 CCP抗体の検査方法と結果の見方

CCP抗体の検査も、血液を採取して行います。検査結果は、「U/mL」や「ng/mL」といった単位で表されます。基準値は施設によって異なりますが、一般的には5 U/mL以下であれば陰性と判断されます。

CCP抗体値判定
5 U/mL以下陰性
5 U/mL以上陽性

CCP抗体値が高いほど、関節リウマチの活動性が高い、あるいは関節破壊が進行している可能性があります。RFと同様に、CCP抗体値と症状の重さには必ずしも相関関係はありません。

2.3 炎症反応(CRP値、赤沈)

炎症反応とは、体内で炎症が起こっている際に血液中で増加するタンパク質のことです。リウマチなどの炎症性疾患では、炎症反応が上昇することが多く、その程度を調べることで、病気の活動性を評価することができます。主な炎症反応としては、CRP値と赤沈があります。

2.3.1 CRP値

CRP(C反応性蛋白)は、肝臓で作られるタンパク質で、体内で炎症が起こると血液中の濃度が上昇します。CRP値が高いほど、炎症の程度が強いことを示唆します。CRP値は、細菌感染症や外傷などによっても上昇するため、関節リウマチだけに特異的な指標ではありませんが、関節リウマチの活動性を評価する上で重要な指標となります。関節リウマチの治療効果判定や、治療方針の決定にも役立ちます。

2.3.2 赤沈

赤沈(赤血球沈降速度)は、血液を試験管に入れて放置した際に、赤血球が沈んでいく速さを測定する検査です。炎症が起こると、血液中のフィブリノーゲンなどのタンパク質が増加し、赤血球同士がくっつきやすくなるため、赤沈が速くなります。CRPと同様に、赤沈も関節リウマチだけに特異的な指標ではありませんが、関節リウマチの活動性を評価する上で重要な指標となります。

2.4 その他の血液検査

リウマチの診断には、上記以外にも以下のような血液検査が行われることがあります。

  • 血算:貧血の有無などを調べる検査です。リウマチでは、貧血を合併することがあります。
  • 生化学検査:肝機能や腎機能などを調べる検査です。リウマチの治療薬の中には、肝機能や腎機能に影響を与えるものもあるため、定期的に検査を行う必要があります。
  • HLA検査:HLA(ヒト白血球抗原)は、白血球の表面にあるタンパク質で、自己と非自己を識別する役割を担っています。HLA検査では、関節リウマチに関連する特定のHLA遺伝子を持っているかどうかを調べます。特定のHLA遺伝子を持っている場合、関節リウマチを発症するリスクが高いことが知られています。関節リウマチの遺伝的要因を調べる検査です。HLA-DR4などの特定の型を持っている場合、関節リウマチのリスクが高くなることが知られています。ただし、HLA検査は診断に必須ではなく、行われない場合もあります。
  • 抗核抗体:全身性エリテマトーデス(SLE)などの他の自己免疫疾患との鑑別のために検査されることがあります。抗核抗体は、細胞の核内の成分に対する自己抗体の総称で、SLEなどの膠原病で陽性になることが多く、関節リウマチの活動性が高い場合にも陽性になることがあります。ただし、抗核抗体検査は関節リウマチの診断に必須ではなく、行われない場合もあります。

これらの検査結果と、診察所見、画像検査の結果などを総合的に判断して、リウマチの診断が下されます。リウマチの診断は、医師が患者さんの症状、病歴、身体診察、血液検査、画像検査などを総合的に判断して行います。自己判断は危険ですので、リウマチが疑われる場合は、リウマチ専門医を受診するようにしましょう。

なお、血液検査の結果は、その日の体調や服用している薬などによっても影響を受けることがあります。検査結果だけで判断せず、必ず医師に相談するようにしてください。

この記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的アドバイスではありません。診断や治療については、必ず医師にご相談ください。また、最新の情報については、厚生労働省や関連学会などの信頼できる情報源をご参照ください。

3. リウマチの血液検査の費用

リウマチの血液検査にかかる費用は、医療機関の規模や検査の種類、個数によって異なります。検査項目が少ない場合は数百円から、複数の項目を検査する場合は数千円かかる場合もあります。また、初診料や診察料なども別途必要となります。

リウマチの血液検査は、早期発見・早期治療のために重要な検査です。費用が気になる場合は、事前に医療機関に確認することをおすすめします。

3.1 保険適用と保険外診療

リウマチの血液検査の多くは保険適用されますが、一部の検査や医療機関によっては保険適用外となる場合があります。保険適用外の場合、全額自己負担となるため、高額になる可能性があります。検査を受ける前に、医療機関に確認しておきましょう。

3.1.1 主な血液検査項目と費用目安

以下は、リウマチの診断に用いられる主な血液検査項目と、おおよその費用目安です。ただし、医療機関や地域によって費用は異なるため、あくまで参考としてください。

検査項目費用目安(3割負担の場合)
RF(リウマトイド因子)約700円~1,000円
CCP抗体約1,500円~2,500円
CRP値約400円~700円
赤沈約400円~700円

上記以外にも、必要に応じて以下の検査が行われることがあります。

  • MMP-3
  • 抗核抗体
  • HLA検査

3.1.2 医療費負担を軽減する制度

高額な医療費がかかる場合、医療費負担を軽減する制度を利用できる場合があります。以下のような制度がありますので、ご自身の状況に合わせてご確認ください。

  • 高額療養費制度
  • 医療費控除

医療費負担が心配な方は、事前に医療機関や自治体の窓口に相談してみましょう。

3.2 医療機関の選び方

リウマチの治療は、長期にわたる場合もあります。信頼できる医療機関を選び、医師と相談しながら治療を進めていくことが大切です。リウマチ専門医がいる医療機関を選ぶのも良いでしょう。日本リウマチ学会のウェブサイトなどで、専門医を検索することができます。

また、セカンドオピニオンを希望する場合、費用や受診方法について事前に医療機関に確認しておきましょう。

4. リウマチの血液検査の結果の見方

リウマチの血液検査では、複数の項目を組み合わせて総合的に判断します。個々の検査項目の結果だけで、リウマチかどうか、またその活動性や重症度を判断することはできません。ここでは、それぞれの検査項目の結果について、考えられるパターンと、医師がどのように診断に役立てているか解説します。

4.1 陽性の場合

血液検査の結果が陽性だった場合、リウマチの可能性を示唆するものではありますが、必ずしもリウマチであると確定診断されるわけではありません。検査項目によって陽性と判断される基準値や、陽性反応が出た場合のリウマチである確率は異なります。また、リウマチ以外の病気や、健康な人でも陽性反応が出る場合があります。ここでは、それぞれの検査項目で陽性反応が出た場合に、どのようなことが考えられるのか、詳しく見ていきましょう。

4.1.1 RF(リウマトイド因子)

RFは、リウマチの患者さんの約70%で陽性となります。しかし、RFはリウマチに特異的なものではなく、シェーグレン症候群や全身性エリテマトーデスなどの膠原病、慢性肝炎、結核などの感染症でも陽性となることがあります。また、高齢者では、特に病気がない場合でも陽性となることがあります。RFの値が高いほど、リウマチの活動性が高い、つまり炎症が強い傾向にあります。また、関節の破壊が進行しやすいことも知られています。関節リウマチ以外の病気でも陽性になることがあるため、RF単独ではなく、他の検査結果や症状と合わせて総合的に判断する必要があります。

RF値判定
8未満(IU/mL)陰性
8以上20未満(IU/mL)擬陽性
20以上(IU/mL)陽性

4.1.2 CCP抗体

CCP抗体は、RFよりもリウマチに特異的な検査であり、リウマチ患者さんの約70~80%で陽性となります。CCP抗体が陽性の場合、リウマチである可能性が高いと考えられます。また、関節破壊が進行しやすいことも知られています。CCP抗体は、早期のリウマチ患者さんでも陽性となることが多く、早期診断に役立ちます。ただし、CCP抗体が陰性でもリウマチを完全に否定することはできません。

CCP抗体値判定
3.0未満(U/mL)陰性
3.0以上(U/mL)陽性

4.1.3 炎症反応(CRP値、赤沈)

CRP値や赤沈は、体内で炎症が起こっていることを示す指標です。リウマチでは、関節に炎症が起こるため、これらの値が上昇することがあります。しかし、これらの検査は、風邪や虫歯などの炎症でも上昇するため、リウマチに特異的なものではありません。CRP値や赤沈は、リウマチの活動性を反映するため、治療の効果判定や経過観察にも用いられます。

検査項目基準値備考
CRP値0.3 mg/dL以下検査方法や施設によって基準値が異なる場合があります。
赤沈男性:15 mm/時以下
女性:20 mm/時以下
年齢や生理周期などによって変動することがあります。

4.1.4 その他の血液検査

  • 貧血:リウマチ患者さんでは、炎症によって赤血球の産生が抑制され、貧血になることがあります。
  • 白血球数増加:リウマチでは、炎症が強い場合に白血球数が増加することがあります。
  • 血小板数増加:リウマチでは、炎症が強い場合に血小板数が増加することがあります。

4.2 陰性の場合

血液検査の結果が陰性だった場合、リウマチの可能性は低いと考えられます。しかし、リウマチの初期段階では、血液検査で異常が出ないこともあります。また、血液検査で陰性であっても、リウマチの症状がある場合は、リウマチの可能性を完全に否定することはできません。医師は、血液検査の結果だけでなく、症状、診察所見、画像検査などを総合的に判断して診断します。

血液検査の結果が陰性で、リウマチの症状がある場合は、セロネガティブ関節リウマチの可能性も考えられます。セロネガティブ関節リウマチは、RFやCCP抗体が陰性の関節リウマチです。セロネガティブ関節リウマチであっても、関節リウマチと同様に、関節の痛みや腫れなどの症状が現れます。セロネガティブ関節リウマチの診断には、血液検査以外の検査結果や症状、診察所見などを総合的に判断する必要があります。

いずれの場合も、自己判断はせず、医師に相談することが大切です。

5. リウマチの診断基準

リウマチの診断には、2010年に米国リウマチ学会と欧州リウマチ学会が共同で作成した「2010年ACR/EULAR分類基準」が用いられます。この基準では、以下の4つの項目を評価し、合計点が6点以上の場合にリウマチと診断されます。

  1. 関節炎の分布と数
  2. 血清学的検査
  3. 炎症反応
  4. 罹病期間

5.1 2010年ACR/EULAR分類基準の詳細

それぞれの項目の評価点は以下の通りです。

項目評価内容点数
関節炎の分布と数1つの大きな関節のみ0点
2~10個の小さな関節1点
1~3個の大きな関節2点
4個以上の大きな関節、または10個以上の小さな関節3点
血清学的検査(RFまたは抗CCP抗体)陰性0点
低力価陽性2点
高力価陽性3点
炎症反応(CRPまたは赤沈)正常0点
異常1点
罹病期間6週間未満0点
6週間以上1点

例えば、両手首、両手の中手指節関節(MP関節)、両足の基節骨間関節(MTP関節)に腫れや痛みがある場合、関節炎の分布と数は「4個以上の大きな関節」に該当し、3点が与えられます。さらに、RF検査や抗CCP抗体検査で高力価陽性であり、CRP値が高い場合は、合計6点となり、リウマチと診断されます。

5.2 血液検査以外の診断基準

リウマチの診断には、血液検査以外にも、以下の項目が参考にされます。

  • 症状:朝のこわばり、関節の腫れや痛み、疲労感、微熱など
  • 診察:関節の腫脹や圧痛、運動制限、皮下結節、関節リウマチ特有の変形など
  • 画像検査:X線検査、MRI検査、超音波検査など

これらの検査結果と血液検査の結果を総合的に判断し、リウマチかどうかを診断します。リウマチの診断は複雑なため、自己判断はせず、必ず専門医の診察を受けるようにしましょう。

6. よくある質問

6.1 血液検査だけでリウマチと診断される?

血液検査の結果のみでリウマチと診断されるわけではありません。リウマチの診断には、血液検査に加えて、問診、診察、画像検査(レントゲン検査など)の結果を総合的に判断する必要があります。血液検査は、リウマチの可能性を示唆するものであり、確定診断を行うものではありません。

例えば、リウマトイド因子やCCP抗体が陰性であっても、リウマチの可能性が完全に否定されるわけではありません。また、これらの検査値が陽性であっても、必ずしもリウマチであるとは限りません。他の疾患で陽性になる場合もあるため注意が必要です。

6.2 リウマチの血液検査は、どの医療機関でも受けられる?

リウマチの血液検査は、一般の内科や整形外科でも実施していますが、専門的な知識と経験を持つリウマチ専門医のいる医療機関を受診することをおすすめします。リウマチ専門医は、日本リウマチ学会の専門医制度によって認定された医師です。

リウマチ専門医がいる医療機関は、日本リウマチ学会のホームページなどで検索できます。また、かかりつけの医師に相談してみるのも良いでしょう。

6.3 リウマチの血液検査を受ける際の注意点はある?

リウマチの血液検査を受ける際の注意点は特にありません。ただし、食事や服用している薬によっては、検査結果に影響が出る場合があるので、事前に医師に相談しておきましょう。例えば、ステロイド薬や免疫抑制剤を服用している場合は、検査結果が偽陰性となることがあります。

また、妊娠中や授乳中の場合は、検査を受ける前に医師に相談するようにしてください。検査を受けることで、胎児や乳児に影響が出る可能性があります。

6.4 リウマチの血液検査の結果はいつわかる?

リウマチの血液検査の結果は、医療機関や検査項目にもよりますが、通常は1週間以内にわかります。検査結果の説明は、医師から直接聞くようにしましょう。検査結果の内容や、今後の治療方針などについて詳しく説明を受けることができます。

6.5 リウマチと診断された場合、治療はどうなる?

リウマチと診断された場合、薬物療法、リハビリテーション、手術など、様々な治療法を組み合わせて行います。治療の目標は、痛みや腫れなどの症状を抑制し、関節の破壊を予防し、日常生活の質を維持することです。早期に適切な治療を開始することで、病気の進行を遅らせ、関節の破壊を予防することができます。

薬物療法には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、ステロイド薬、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)、生物学的製剤などがあります。リハビリテーションには、運動療法、物理療法、作業療法などがあります。手術療法は、関節の破壊が進行した場合に検討されます。

6.6 リウマチの治療費はいくらかかる?

リウマチの治療費は、治療内容や医療機関によって異なります。健康保険が適用される治療と、適用されない治療があります。また、高額療養費制度を利用できる場合があります。治療費については、医療機関に相談するようにしてください。

治療法内容費用
薬物療法非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、ステロイド薬、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)、生物学的製剤など薬剤の種類や量によって異なる。3割負担の場合、1か月あたり数百円~数万円程度。
リハビリテーション運動療法、物理療法、作業療法など医療機関や治療内容によって異なる。3割負担の場合、1回あたり数百円~数千円程度。
手術療法関節の破壊が進行した場合に検討される。人工関節置換術など。手術の内容や医療機関によって異なる。高額療養費制度を利用できる場合がある。

6.7 リウマチは完治するの?

リウマチは、現在の医学では完治が難しい病気とされています。しかし、適切な治療と生活管理を行うことで、症状をコントロールし、日常生活を送ることは可能です。リウマチの治療は、長期にわたる場合が多いため、医師とよく相談し、治療方針や生活上の注意点などを理解しておくことが大切です。

また、リウマチは、寛解と再燃を繰り返す病気でもあります。寛解とは、症状がほとんど消失した状態を指します。再燃とは、寛解していた症状が再び現れることを指します。寛解状態を維持するためにも、定期的な検査や治療の継続が重要です。

6.8 リウマチの予防はできる?

リウマチの明確な予防法は確立していません。しかし、禁煙、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレスを溜めないなど、健康的なライフスタイルを心がけることが大切です。また、リウマチのリスク因子として、遺伝的要因や感染症などが考えられています。これらのリスク因子を避けるようにすることも重要です。

リウマチは、早期発見・早期治療が重要な病気です。関節の痛みや腫れ、朝のこわばりなどの症状が続く場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

7. まとめ

この記事では、リウマチの診断に用いられる血液検査について解説しました。リウマチの疑いがある場合、RF、CCP抗体、炎症反応などの血液検査が診断の助けとなります。これらの検査結果と診察所見、画像検査などを総合的に判断し、リウマチの診断を下します。リウマチは早期発見、早期治療が重要な病気です。関節に違和感や痛みを感じたら、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。